会社設立時の健康保険・厚生年金関係の必要な手続きは?
電子申請する場合の注意点は?
今回はこのような疑問に答えれるようにわかりやすく解説します。
こんにちわ。大阪の会計士/税理士の唐木です。
会社を設立すると税務署だけではなく、健康保険や厚生年金関係の書類を提出する必要があります。
健康保険・厚生年金関係の手続きについて、実際に電子申請で対応したので、注意点やつまづいた点を中心にお話しします。
「法人設立ワンストップサービス」で必要な電子申請を行う
まず、「法人設立ワンストップサービス」で必要な電子申請を行います。
具体的には、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を電子申請するのと、「GビズIDプライムアカウント」の発行申請を行います。
「健康保険・厚生年金保険新規適用届」は新たに事業所で健康保険・厚生年金保険に加入するのに必要になる手続きで、「GビズIDプライムアカウント」の発行は、後述する「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を電子申請するのに必要になります。
「法人設立ワンストップサービス」を実際に使ってみた注意点等はこちらでまとめていますので、ぜひ併せて読んでみてください。
「e-Gov」で必要な電子申請を行う
デジタル庁が運営する行政ポータルサイトである「e-Gov」を使って、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を電子申請します。
公式ホームページから「e-Gov電子申請アプリケーション」をダウンロードして、「法人設立ワンストップサービス」で発行申請した「GビズIDプライムアカウント」のIDとパスワードでログインをします。
その後「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を電子申請するために必要情報を入力していくのですが、1点注意点があります。
それは、入力必須の項目である「事業所整理記号」と「事業所番号」の入力がないと先に進めないので、自分で決めたダミー番号を入力することになるのですが、全部同じ番号にするとエラーとなりはじかれる点です。
そのため、全部同じ番号である0000や1111ではなく、例えば12345等の連番にする必要があります。
「事業所整理記号」と「事業所番号」は、「法人設立ワンストップサービス」で電子申請した「健康保険・厚生年金保険新規適用届」が受理されないと通知されませんが、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」が受理されるためには、最低1名の「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」の申請が必要となるため、このような対応が必要となります。
これらの電子申請を終えると年金事務所側での確認が終わったら、適用通知書等をダウンロードできるようになります。
このダウンロードした資料については、PDF等の形式ではなく、Microsoft edge HTML documentとXSLスタイルシートの形式となります。
こちらについては、単にダウンロード後の資料を開くだけでは確認できないので、「eーGov電子申請」のよくあるご質問(FAQ)の公文書ファイルを開く方法を確認して対応する必要があります。
また、今後「e-Gov」で各種手続きをする際には、通知された「事業所整理記号」や「事業所番号」を入力する必要がありますが、ここでも注意点があります。
「事業所番号」については、適用通知書等に記載されている5桁の番号を入力すればよいのですが、「事業所整理記号」については、4桁の数字+3つのカタカタの入力が求められますが、適用通知書には、2桁の数字+3つのカタカナしかなく2桁足りないことになります。
残りの2桁は都道府県コードであり、適用を受けている管轄地域の2桁の番号を頭につける必要があります。
具体的な数字は、公式ホームページの電子媒体届書作成仕様書というPDFの最終ページに参考資料3として都道府県コード一覧が載っていたようです。
記事作成日時点では、公式ホームページから電子媒体届書作成仕様書が見れなくなっていますが、当時の都道府県コード一覧は下記となっています。
01:北海道 02:青森県 03:岩手県 04:宮城県 05:秋田県 06:山形県 07:福島県 08:茨城県 09:栃木県 10:群馬県 11:埼玉県 12:千葉県 21:東京都 31:神奈川県 32:新潟県 33:富山県 34:石川県 35:福井県36:山梨県 37:長野県 38:岐阜県 39:静岡県 41:大阪府 42:兵庫県 51:愛知県 52:三重県 53:滋賀県 54:京都府 55:奈良県 56:和歌山県 57:鳥取県 58:島根県 59:岡山県 60:広島県 61:山口県 71:徳島県72:香川県 73:愛媛県 74:高知県 75:福岡県 76:佐賀県 77:長崎県 78:熊本県 79:大分県 80:宮崎県 81:鹿児島県 82:沖縄県
通常であれば紙で交付される「社会保険料額情報」「保険料増減内訳書」「基本保険料算出内訳書」「賞与保険料算出内訳書」「被保険者データ」「決定通知書等」を電子データで受け取るようにする「電子通達」を適用する申請を「e-Gov」で行った際に、大阪府の番号である41を「事業所整理番号」の頭につけることで申請ができましたので、記事作成日時点でも変更はないものと思われます。
まとめ
- 健康保険・厚生年金関係の届出を電子申請する場合には、まず「法人設立ワンストップサービス」で「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を電子申請し、「GビズIDプライムアカウント」の発行申請を行う必要がある。
- その後、「e-Gov」を使って、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を電子申請する必要があるが、ログイン時に「GビズIDプライムアカウント」のIDとパスワードが必要。
- 「e-Gov」での「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」の電子申請時にまだ通知されていない「事業所整理記号」と「事業所番号」をダミーで入力する必要があるが、0000等の同じ数字を入れるとエラーになる。
- 電子申請完了後の適用通知書等を確認する際には、PDF形式ではないため「eーGov電子申請」のよくあるご質問(FAQ)の公文書ファイルを開く方法を確認する必要がある。
- 以後「e-Gov」で手続きをする際には、「事業所整理記号」を入力する必要があるが、適用通知書等に記載された2桁の数字に加え、2桁の都道府県コードを入力し、4桁にする必要がある。
終わりに
今回は、実際に健康保険・厚生年金関係の手続きを電子申請した際の流れや注意点について解説しました。
実際に自分で電子申請をしてみた感想としては、一度やってみないとどうしていいかわからない部分が多くあるな~と感じました。
今後、社会保険労務士等に依頼せず、ご自身で電子申請される方の助けになりますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは!